2025年06月04日
フルサイズ?APS-C?レンズ選びで写真が変わる!
カメラを始めると耳にする「フルサイズ」や「APS-C」といった言葉。これらはカメラのセンサーサイズを指しますが、実はこのセンサーサイズによって使うレンズも変わってきます。今回は、フルサイズ用レンズとAPS-C用レンズの違い、そしてそれぞれのレンズを装着した時に何が起こるのか、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
フルサイズ用レンズとAPS-C用レンズの違い
最も大きな違いは、カバーするイメージサークル(写る範囲)の大きさです。
フルサイズ用レンズ
フルサイズセンサー(約36mm×24mm)の広い面積をカバーできるように設計されています。そのため、イメージサークルが大きく、開放F値の小さい(明るい)レンズや、広角レンズの種類が豊富です。
APS-C用レンズ
APS-Cセンサー(約23.5mm×15.6mm、メーカーによって多少異なります)の大きさに合わせて設計されています。フルサイズ用レンズよりもイメージサークルが小さく、その分コンパクトで軽量なものが多いのが特徴です。
それぞれのレンズを装着したらどうなる?
では、これらのレンズを異なるセンサーサイズのカメラに装着するとどうなるのでしょうか?
① フルサイズカメラにフルサイズ用レンズを装着
- 結果:レンズ本来の画角で、センサー全面に美しい画像が記録されます。
- メリット:レンズの性能を最大限に引き出せ、高画質、豊かなボケ味、広いダイナミックレンジの写真を楽しめます。
- デメリット:レンズ自体が大きく重く、価格も高価な傾向があります。
② APS-CカメラにAPS-C用レンズを装着
- 結果:レンズ本来の画角で、センサー全面に画像が記録されます。
- メリット:レンズとカメラのサイズがマッチし、システム全体がコンパクトで扱いやすいです。価格もフルサイズ用レンズに比べて手頃です。
- デメリット:フルサイズに比べると画角が狭くなり(焦点距離が約1.5倍になる「クロップ」効果)、広角表現に限界があります。ボケもフルサイズほどは得られにくいです。
③ APS-Cカメラにフルサイズ用レンズを装着
- 結果:レンズのイメージサークルの中心部分のみが使われ、焦点距離が約1.5倍に伸びる「クロップ」効果が発生します。
- メリット:フルサイズ用レンズの高い光学性能をAPS-Cカメラでも利用でき、画質の良い写真が期待できます。望遠撮影には有利です。
- デメリット:レンズが大きく重い割に、イメージサークルの周辺部が無駄になります。広角レンズとして使おうとすると、焦点距離が伸びてしまい、期待通りの画角が得られません。
④ フルサイズカメラにAPS-C用レンズを装着
- 結果:基本的に推奨されません。 APS-C用レンズのイメージサークルはフルサイズセンサー全体をカバーできないため、画像の周囲が大きくケラレ(黒く欠けて)しまいます。
- メリット:なし
- デメリット:写真として成立しないレベルでケラレが発生します。一部のカメラでは自動的にAPS-Cモードに切り替わる機能もありますが、画素数が大幅に減少します。
まとめ
レンズ選びは、どんな写真を撮りたいか、どんなカメラを使っているかによって大きく変わってきます。フルサイズ機をお持ちならフルサイズ用レンズが基本ですが、APS-C機をお持ちなら、まずはコンパクトで扱いやすいAPS-C用レンズから始めるのがおすすめです。将来的には、フルサイズ用レンズをAPS-C機に装着して、望遠レンズとして活用するのも一つの手です。
ご自身の撮影スタイルや予算に合わせて、最適なレンズを選んで写真ライフを楽しみましょう!